こんにちは。365inside、編集長の「とし」です。
日曜の夜からなんとなく憂鬱になって、月曜の朝、アラームが鳴った瞬間に「あー、仕事行きたくない…」って感じること、ありますよね。私もあります。
「月曜日、やる気でない」のは、もう仕方ないことかなと思います。
週末とのギャップで体がだるかったり、前の晩に考え事をして寝れない日があったり。
ときには「もう辞めたいな」なんて気持ちがよぎることもあるかもしれません。
でも、そうは言っても仕事は待ってくれない。
この記事では、そんな月曜日の憂鬱な気分を前提にしつつ、どうにかして乗り切る方法をお伝えします。
特に「わかってはいるけど体が動かない」という状態から抜け出すための、ちょっとした脳の使い方のコツを紹介します。
- 月曜日にやる気が出ない根本的な理由
- 憂鬱な気分を引き起こす週末のNG習慣
- 脳科学が教える「作業興奮」という解決策
- どうしても辛い時の危険信号の見分け方
月曜日やる気でないのは普通?その原因
まず、ハッキリさせたいのは、「月曜日にやる気が出ない」のは、あなたが怠けているわけでも、ダメなわけでもない、ということです。
むしろ普通のことかもしれません。
じゃあ、なんで私たちはこんなに月曜がしんどいのか、その原因をいくつか整理してみましょう。
- 月曜日、仕事行きたくない感情の正体
- 憂鬱と寝れないのは「寝だめ」の可能性も
- 週末の過ごし方が月曜を決める
- 月曜日のルーティンで頭を切り替える
- 「辞めたい」と感じる職場環境
月曜日、仕事行きたくない感情の正体
日曜の夕方、特定のテレビ番組が始まると「あ、明日から仕事だ…」と気分が落ち込む。
「サザエさん症候群」なんて言葉もあります。
これはまさに「ブルーマンデー症候群」とも呼ばれる、多くの社会人が共有する感覚です。
週末のリラックスした「オフ」の状態から、仕事や義務が待つ「オン」の状態へ、心と体を強制的に切り替えないといけない。
この急激なギャップが、心理的にも生理的にも大きな負担になっているんですよね。
むしろ、「仕事行きたくない」と感じるのって、裏を返せば「仕事に行かなきゃ」という責任感をちゃんと持っている証拠でもある、と私は思います。
だから、まず「やる気が出ない自分」を責める必要はまったくないんです。
憂鬱と寝れないのは「寝だめ」の可能性も
「平日の疲れを取るために、週末は昼まで寝る」という人、多いと思います。
でも、実はこの「寝だめ」こそが、月曜の不調を引き起こす最大の原因かもしれません。
いわゆる「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」という状態ですね。
週末に起床時間がズレると、体内時計がすっかり狂ってしまいます。
体内時計が狂うと、どうなるか。
- 昼まで寝ていると、日光を浴びる時間が減ります。
- 日光を浴びないと、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されにくくなります。
- セロトニンが不足すると、夜に眠気を誘うメラトニンというホルモンも減ってしまいます。
その結果、「日曜の夜なのに全然寝れない…」となることが多くなります。
なので、月曜の朝は「寝不足」と「セロトニン不足による憂鬱」のダブルパンチで最悪のコンディションを迎えることになるわけです。
週末の過ごし方が月曜を決める
月曜のコンディションは、週末の過ごし方でほぼ決まると言っても過言ではありません。
じゃあ、どうすればいいか。
対策は3つあります。
対策1:睡眠リズムを死守する
これが一番大事です。
できるだけ、休日も平日と同じ時間帯に起きること。
どうしても眠いなら、昼寝を「30分以内」にする。
これだけで、体内時計のズレは最小限に抑えられます。
対策2:少しでも外に出て運動する
家でゴロゴロするより、短時間でも散歩などで日光を浴びることです。
日光を浴びると、セロトニンが分泌されて効果的なリフレッシュになります。
軽い運動は脳をリセットして、睡眠リズムを整える効果も期待できます。
対策3:次の楽しみを「予約」する
「今週も頑張れば、金曜は焼肉だ」みたいに、次の週末や平日の夜に楽しみな予定を「予約」しておくのも強力な対策です。
乗り切るための明確な動機付けになりますからね。
月曜日のルーティンで頭を切り替える
休み明けは、どうしても頭が「仕事モード」に入りません。
そこでオススメなのが、出社後の行動を「ルーティン化」してしまうことです。
例えば、会社に着いたら、
- まずコーヒーを淹れる
- デスクを拭く
- メールをチェック
- 今日のタスクを3つだけ書き出す
といった一連の動作です。
この「儀式」を決めておくと、脳がスムーズに仕事モードに切り替わるのを助けてくれます。
予測できないことが減るだけでも、ストレスはだいぶ軽くなりますよ。
もうひとつ、わたしが個人的にやっているのが「月曜は絶対に定時で帰ると決める」ことです。
残業しないと分かっているだけで、出社への心理的ハードルがかなり下がります。
「辞めたい」と感じる職場環境
これまでの対策は精神的な心の中の工夫です。
もし「毎週のように辞めたいと思う」のなら、原因は気持ちではなく職場環境そのものにある可能性が高いです。
たとえば、こんな環境ではありませんか?
- 上司や同僚との人間関係が最悪(パワハラ、孤独感など)
- 月曜朝から会議が詰まっている、仕事量が多すぎる
- 「失敗が許されない」という過度なプレッシャーがある
- 今の仕事が単純につまらない、やりがいを感じない
こういう会社の場合、「やる気が出ない」のは当然の防衛反応です。
個人の工夫で乗り越えようとしても、乗り越えられるものではありません。
部署異動を申し出たり、本格的に転職を考えたりするほうが、よほど建設的な解決策だと思います。
月曜日やる気でない時の「作業興奮」活用法
とはいえ、今すぐ環境を変えられない場合がほとんどですよね。
「理由はともかく、目の前の月曜日を乗り切らないと…」という時に、私が一番頼りにしているのが「作業興奮」という脳の仕組みです。
やる気がなくても、動き出すための極意ですね。
- 乗り切る方法は「簡単な仕事」から
- 「ご褒美」で脳を動かす
- アドラー心理学で仕事の意味を見直す
- リフレームで月曜の視点を変える
- 危険信号?無理しては絶対にダメ!
- まとめ:月曜日にやる気がでないのは当り前
乗り切る方法は「簡単な仕事」から
「作業興奮(さぎょうこうふん)」というのは、脳の仕組みのひとつです。
簡単に言うと、「やる気があるから行動する」んじゃなくて、「行動するから(脳が興奮して)やる気が出てくる」という現象のことです。
どういうことかと言うと、普通、何をするにしてもやる気があるからその動作をするはずです。
例えば、ゲームをしたいからパソコンの電源を入れる、楽しい予定が入ったのでメモ帳を開く、さっぱりしたいので床屋に行って髪の毛を切る・・といった感じです。
目的があって行動をするというパターンですね。
作業興奮は、その逆をするんです。
行動をすると目的が後からでてくるという現象です。
先程の例で言えば、パソコンの電源を入れるとゲームがしたくなる、メモ帳を開くと楽しい予定を入れたくなる、髪の毛を切ったらさっぱりした、という感じです。
月曜日が一番しんどいのって、布団から出るときや、仕事を始める「直前」じゃないですか?
仕方なく「えいやっ」って布団を跳ね除けて起きれば、その前の嫌だった気持ちはいつの間にかなくなってるものです。
だから、月曜日の乗り切る方法として最強なのは、「とにかく簡単な仕事から始める」こと。
目標を「仕事を終わらせる」じゃなく、「作業興奮のスイッチを入れる」ことにするんです。
作業興奮をうながす簡単な仕事の例をあげてみます。
- デスクに座る
- PCを起動する
- メールを見る
- お茶やコーヒーを淹れる
- 先週を振り返る
何も考えずに、ほとんど何もしなくてもできる作業。
これを意図的に一番最初に持ってくるのが、やる気のない月曜日を動かすための極意です。
「ご褒美」で脳を動かす
とはいえ、会社に行くまで、仕事場にある机に座るまでが嫌な気持ちですよね。
そんな時に使うのが「ご褒美」です。
心理学でいう「テンプテーション・バンドリング(誘惑の抱き合わせ)」というテクニックに近いかもしれません。
要は、「やるべきこと(仕事)」と「やりたいこと(ご褒美)」をセットにするんです。
例えば…
- 出社前に、お気に入りのカフェに寄る
- 通勤中は、大好きな音楽やポッドキャストを聴く
- 月曜のランチは、ちょっと豪華なものにする
- 仕事終わりに、映画や買い物、ゲームなどの予定を入れる
- 週末に何かのイベントをする
「仕事さえ終わればアレが待ってる」と思うと、目の前のタスクを片付けるための動機が生まれますよね。
月曜日を「憂鬱な日」から「ご褒美の日」に上書きしてしまう感覚です。
アドラー心理学で仕事の意味を見直す
「作業興奮」や「ご褒美」は短期的な対策です。
そもそも「仕事が嫌だ」という根本的な気持ちがあると、月曜の憂鬱はなくなりません。
そこで、少し長期的な視点として、アドラー心理学の2つの考え方が役立ちます。
- 課題の分離
- 貢献感
他人の機嫌に振り回されない「課題の分離」
「課題の分離」とは、ものすごくシンプルに言うと、「それは、誰の問題(課題)か?」をハッキリさせることです。
月曜日の朝に「仕事が嫌だ」という問題は、100%自分の課題です。
それは上司のせいでも、部下のせいでも、同僚のせいでもないです。ましてや家族のせいでもないです。
そこにまず気づくことが大事です。
その上で考えるべきことは、「なぜ仕事が嫌なのか?」です。
仕事が嫌な理由はそれぞれ色々あると思います。それに対する理由もあるはずです。
それをひとつずつ紙などに書いてみましょう。
そして、あなたの心の中に次の質問を問いかけてみてください。
この答えが出たら、他のことは考えずに、それに向かって進んでいけばいいだけです。
この問題は100%あなたの課題です。
なので、あなたの考えだけでどうにでもすることができるんです。
人のせいにせず、あなたがどうしたいのか、それだけを考えてみてください。
「仕事が嫌」を「やりがい」に変える「貢献感」
「仕事そのものがつまらないから嫌だ」と思った時に役立つのが「貢献感」という考え方です。
アドラー心理学では、人は「自分は誰かの役に立っている」と感じる(=貢献感)ことで、幸福ややりがいを感じるとされています。
これを利用して、今やってる仕事が誰の役にたってるのか?を少し考えてみてください。
たとえば、データ入力や雑用ばかりでつまらない時を考えてみます。
嫌なときには、だいたい次のように思います。
こういう時、「この仕事は、誰の役に立っているか?」と視点を変えてみます。
たとえ作業そのものが地味でつまらなくても、「この仕事が(見えないところで)誰かを支えている」という「貢献感」を意識的に持つことで、仕事は「嫌なもの」から「価値のあるもの」に変わっていきます。
トイレ掃除でも、庭の掃除でも同じです。
会社のみんなが快適に仕事ができて、業績も上がると考えれば、隅々まできれいにしたいと思うはずです。
「課題の分離」と「貢献感」で、「仕事が嫌だ」という月曜日の根本的な憂鬱は、少しずつ軽くなっていくはずです。
リフレームで月曜の視点を変える
「リフレーム」も、仕事への向き合い方を変えるのに有効なテクニックです。
例えば…
- 「月曜日は仕事が溜まっていて最悪だ」 → リフレーム → 「月曜日は、静かなうちに自分のペースで仕事を片付けられるチャンスだ」
- 「面倒なクレーム対応だ…」 → リフレーム → 「新商品の改善点を見つけられる、重要なフィードバックだ」
- 「月曜日が来てしまった…」 → リフレーム → 「次の週末まで、あと5日だ」
これは精神論に見えるかもしれませんが、現実は変わらなくても「解釈」を変えるだけで、ストレスはかなり軽減されます。
月曜日という「概念」を、自分にとって都合よく捉え直してみるのも、立派な戦略です。
危険信号?無理しては絶対にダメ!
ここまで色々な対策を紹介してきましたが、もし「やる気が出ない」レベルを超えている場合は、絶対に無理をしてはいけません。
「ブルーマンデー」は一時的なもので、火曜や水曜になれば回復することが多いです。
でも、以下のような症状が月曜に限らず続く場合は、心の危険信号なのかもしれません。
- 朝、どうしても体が動かず起き上がれない
- 頭痛、めまい、食欲不振が日常的に続いている
- 曜日に関わらず、2週間以上憂鬱な気分が続く
- 今まで好きだった趣味にも興味がわかない
- 理由もなく涙が出る
- 集中力が極端に落ちて、ミスを連発してしまう
(参考:こころの耳-厚労省)
週末は元気なのに、会社に行くとダメ、行くと考えるだけでダメという場合は要注意です。
これらのサインに当てはまる場合は、個人の工夫で乗り切ろうとせず、まずはゆっくり休むこと。
そして、必ず心療内科や精神科などの専門家に相談してください。
これはあくまで一般的な目安であり、最終的な判断は専門医に委ねるべきです。
まとめ:月曜日にやる気がでないのは当り前
あらためて、「月曜日、やる気でない」のは、ごく自然な感情です。
まずは「そんなもんだよな」と受け入れる事が大事です。
そのうえで、使える強力な武器が「作業興奮」です。
やる気は待っていても降ってきません。
やる気は、行動した「後」からついてくるものです。
だから、月曜の朝は「仕事を全部終わらせよう」なんて大きなことを考えず、「とりあえず5分だけ、簡単な作業をやって、脳のスイッチを入れる」ことだけを目標にしてみてください。
パソコンのスイッチを入れる、コーヒーを淹れる、メールボックスを開く、それくらいで十分です。
その小さな一歩が、意外と重い一日を動かすきっかけになるはずです。
この記事のたいせつなポイントをまとめます。
- 月曜にやる気が出ないのは、多くの社会人が感じる普通の感情
- 日曜夜から憂鬱になる現象は「サザEさん症候群」とも呼ばれる
- 主な原因は、週末の「寝だめ」による体内時計の乱れ(社会的時差ボケ)
- 寝だめはセロトニン不足を招き、日曜夜の不眠と月曜朝の憂鬱を引き起こす
- 職場の人間関係や過度な仕事のプレッシャーも大きな原因
- 対策として、週末も平日と同じ起床時間を維持し、日光を浴びる
- 月曜の朝は「ご褒美」を設定し、ネガティブな刷り込みを上書きする
- 出社後の行動をルーティン化し、スムーズに仕事モードへ移行する
- 「やる気は行動後に出る」という脳の「作業興奮」の仕組みを利用する
- まずはデスクの掃除など、簡単な作業から手をつけるのが極意
- 「仕事が嫌」という感情は、自分自身で解決すべき「自分の課題」
- 仕事への「意味づけ」を「貢献感」に変えることで、根本的な感情に対処する
- 月曜は定時で帰り、仕事後に楽しみな予定を組み込む
- 症状が曜日に関わらず2週間以上続く場合は、心の危険信号
- 対策を講じても改善しない環境問題は、転職や退職も選択肢の一つ
