「やる気がある人に疲れる」
「向上心が高い人に疲れる」
「職場の意識高い系の人って・・・」
と感じていませんか?
こうした感情は、あなただけが感じているわけではありません。
時には、やる気がある人はうざい、仕事で意識高い人はうざい、向上心のある人もうざいとさえ感じてしまうこともあるでしょう。
それは、あなたが精神的にも身体的にも疲れてるのかもしれません。
ですが、本当のところは、そういった人たちからの価値観の押し付けに疲れてるだけなんです。
この記事では、なぜ彼らと一緒にいると疲れてしまうのか、その心理的な理由と、無理せず自分のペースを守るための具体的な対処法を解説します。
- なぜやる気がある人に疲れるのか、その心理的理由
- 意識高い系の人と角を立てずに付き合う「かわし方」
- 「やる気についていけない自分」を責めないための思考法
- 会社で評価されるのは「やる気」ではなく「成果」である理由
なぜ「やる気がある人 疲れる」のか
- 向上心が高い人に疲れる理由とは
- 職場で意識高い系の人に疲れる、ついていけない
- なぜ、やる気がある人はうざいと感じるのか
- 仕事で意識高い系の人がうざいと思う心理
- 向上心がある人との価値観の違い
- 精神的に疲れてる人の特徴とサイン
向上心が高い人に疲れる理由とは
向上心が高い人と一緒にいて疲れてしまう最大の理由は、「価値観とエネルギーの温度差」です。
彼らは自己成長や目標達成に高い価値を置いており、そのための努力を惜しみません。
この高い熱量に常にさらされると、周りにいる人は無意識のうちにプレッシャーを感じてしまいます。
彼らは「常に成長すべきだ」という考えを基準にしがちです。
そのため、現状維持や自分のペースを大切にしたいと考える人にとっては、彼らの言動が「自分もそうしなければならない」という暗黙の強要のように感じられ、精神的なエネルギーを消耗してしまうのです。
また、彼らの会話は「次の目標」「新しい学び」といった未来志向のテーマが中心になりがちです。
リラックスした雑談をしたい時にまで高い意識を求められると、心が休まらず、結果として「一緒にいると疲れる」という感覚につながります。
職場で意識高い人に疲れる、ついていけない
特に「職場の意識高い系の人に疲れる」とか「ついていけない」という悩みは深刻です。
プライベートなら距離を置けますが、職場ではそうはいきません。
意識高い系の職場や同僚は、以下のような特徴を持つことが多いです。
- 横文字のビジネス用語を多用する:「シナジー」「アジャイル」「PDCA」など、日常会話でも当たり前に使い、わからない側が劣等感を抱きやすい。
- 自己成長アピールが強い:「週末セミナーに参加した」「〇〇という本を読んだ」など、常にインプットをアピールし、同じレベルを求めてくる。
- 社訓や理念への異常な共感: 小さな会社であっても、宗教的に理念を暗唱させるなど、思想の押し付けが強い。
こうした環境では、「自分もついていかなければ」という焦りが生まれます。
しかし、自分の本心や体力的なペースがそれについていけない時、心と体の間にズレが生じ、深刻な疲労感やもどかしさを感じることになります。
参考:こころの耳(厚労省)
なぜ「やる気がある人はうざい」と感じるか
尊敬すべき「やる気がある人」を、時に「うざい」と感じてしまうのはなぜでしょうか。
このネガティブな感情には、いくつかの心理的要因が隠されています。
第一に、価値観の押し付けです。
彼らが自分の成功体験や方法論を、こちらが求めてもいないのにアドバイスとして押し付けてくる時、私たちは「うざい」と感じます。
「あなたもこうすべきだ」という無言の圧力が、相手への嫌悪感に変わるのです。
第二に、マウントを取られている感覚です。
彼らの「自分はこんなに頑張っている」というアピールが、裏を返せば「それに比べてあなたは?」という比較や見下し(マウント)として機能することがあります。
相手にそのつもりがなくても、受け取る側が劣等感を刺激されれば、それは「うざい」と感じる十分な理由になります。
さらに、発言と行動が伴っていない「意識“だけ”高い系」の場合も問題です。
口では立派なことを言うのに、実際の行動が伴っていない場合、その矛盾が「うざい」という感情を増幅させます。
たとえば、他人に厳しく自分に甘い、立派なことを言いながら地味な作業はしないなどです。
仕事で意識高い系の人がうざいと思う心理
仕事に関して「意識高い系がうざい」と感じる場合、その心理はさらに複雑になります。
多くの場合、「成果」よりも「プロセス」や「姿勢」を過剰に評価する傾向があります。
例えば、効率よく定時で成果を出す人よりも、非効率でも遅くまで残業して「頑張っている姿」を見せる人を評価するなどです。
「仕事とはこうあるべきだ」という理想論や綺麗事を押し付けます。
それに従わない人を「やる気がない」と断罪する。
しかし、会社組織において重要なのは、本来「成果」のはずです。
と考える人は多いです。
その人達にとって、「仕事への愛」や「自己成長」といった精神論を持ち込んでくる態度は、不必要なプレッシャーであり、「うざい」と感じてしまうのです。
向上心がある人との価値観の違い
同じように、「向上心がある人をうざい」と感じてしまう根本原因は、「仕事や人生に対する価値観の根本的な違い」にあります。
向上心が高い人は、仕事や人生を「常に上を目指す登山」のように捉えているかもしれません。
彼らにとって「成長」や「挑戦」こそが最大の喜びです。
一方で、あなたがもし「仕事は人生を豊かにするための一つの手段」と捉え、「安定」や「プライベートの充実」に価値を置いているなら、両者の目指す方向は全く異なります。
登山家が平地でのんびり過ごす人に「なぜ登らないんだ!」と言うのも、平地で過ごす人が登山家に「なぜわざわざ疲れることを…」と言うのと同じです。
どちらも的外れですよね。
どちらが正しいかではなく、単に「価値観が違う」だけなのです。
この違いを認識することが、対処法の第一歩となります。
精神的に疲れてる人の特徴とサイン
やる気がある人のペースに合わせ続け、自分の価値観を抑え込んでいると、知らず知らずのうちに精神的に疲弊していきます。
以下は、あなたが「精神的に疲れてる人」になっているかもしれない特徴とサインです。
- 劣等感の常態化: 常に自分と他者を比較し、「自分はダメだ」と落ち込む。
- パフォーマンスの低下: 以前はできていたはずの仕事でミスが増えたり、集中力が続かなくなったりする。
- 無気力・無感動: 何をしても楽しくない、好きだったことに興味が持てない。
- 身体的な不調: 睡眠障害(眠れない・起きられない)、頭痛、胃腸の不調などが続く。
- 人間関係の回避: 人と話すこと自体が億劫になり、意識的に人を避けるようになる。
これらのサインが複数当てはまる場合、あなたはかなり追い詰められている可能性があります。
相手に合わせる努力よりも、自分自身を守る対処法を優先すべき時です。
やる気がある人といると疲れる状況の抜け出し方
- 角を立てない「かわし方」の具体例
- 「やる気がない自分」を責めない思考法
- 「彼は彼、自分は自分」と課題を分離
- 管理職が知るべき「やる気」より「成果」
- 淡々と自分のペースで仕事をこなすコツ
- 自分の身の丈に合った環境選びも必要
- まとめ:やる気がある人といっしょにいると疲れる
角を立てない「かわし方」の具体例
価値観の違う相手を変えることはできません。
そこで重要になるのが、相手のやる気を否定せず、角を立てずに「かわす」技術です。
真正面から受け止めず、エネルギーを消耗しないための具体的な方法を紹介します。
1. 「承認」しつつ「同調」はしない
相手の熱意や行動を頭から否定すると角が立ちます。
まずは「すごいですね!」「頑張ってますね!」と、相手の「行動」や「熱意」そのものは承認します。
しかし、その「価値観」にまで深く共感したり、同調したりする必要はありません。
聞き役に徹しつつも、心の中では「自分とは違うな」と一線を引いておきましょう。
2. 具体的なアドバイスには「検討します」で保留
「あなたもこの本を読むべきだ」「この勉強会に出るべきだ」と具体的な行動を求められた場合は、
と、その場で「Yes/No」を答えず、一度持ち帰る形をとります。
これにより、相手の顔を立てつつ、冷静に判断する時間を稼げます。
3. 話題をそらす・物理的に離れる
相手の「意識高い話」が長引きそうになったら、
などと、仕事の話題に変えたり、物理的にその場を離れたりするのも有効な手段です。
「やる気がない自分」を責めない思考法
「やる気がある人」のそばにいると、ついていけない自分を「ダメな人間だ」「向上心がない」と責めてしまいがちです。
しかし、その自己否定こそが、あなたを最も疲れさせる原因です。
まず認識すべきは、「疲れる」と感じるのは、あなたの心が発している正常な「防衛反応」だということです。
価値観の合わないもの、自分のキャパシティを超えるものに対して「疲れる」と感じるのは、心と体を守るために当然の反応なのです。
仕事は短距離走ではなく、持久走です。
常に全力疾走の人のペースに合わせようとすれば、必ず途中で息切れします。
自分のペースでコツコツと走り続けることは、「やる気がない」のではなく、「賢く走り続ける」ための立派な戦略です。自分を責める必要は一切ありません。
「彼は彼、自分は自分」と課題を分離
対人関係のストレスを軽減する考え方として、アドラー心理学の「課題の分離」というものがあります。
これを当てはめてみましょう。
- 「高い向上心を持ち、努力する」のは、相手の課題です。
- 「その相手を見て、自分がどう感じ、どう行動するか」は、あなたの課題です。
相手がどれだけやる気に満ち溢れていようと、それは相手の人生の選択です。
あなたは、その相手の価値観や機嫌に振り回される必要はまったくありません。
相手が「なぜ君はやる気を出さないんだ」と不満そうにしていても、それは「自分の価値観を他人に押し付けたい」という相手側の問題(課題)なのです。
この線引き(課題の分離)ができるようになると、精神的に非常に楽になります。
管理職が知るべき「やる気」より「成果」
もしあなたが部下を持つ立場、あるいは会社全体を見渡す立場にあるなら、非常に重要な視点があります。
それは、会社が最終的に評価すべきは「やる気(モチベーション)」ではなく、「成果(パフォーマンス)」であるという事実です。
やる気が高く、残業も厭わない部下Aと、やる気はそこそこに見えるが、効率よく定時内にAと同じ成果を出す部下B。
どちらが組織にとって持続的に貢献できるでしょうか。
管理職は、部下の「やる気」という目に見えないものに振り回されるべきではありません。
評価すべきは、定められた時間内で、どれだけ安定的に成果を出したかという客観的な事実です。
やる気を強要する文化は、むしろ非効率な長時間労働を助長し、多様な働き方を阻害するリスクさえあります。
淡々と自分のペースで仕事をこなすコツ
「やる気」や「モチベーション」といった曖昧な感情に頼らず、淡々と自分のペースで成果を出し続けることは、プロフェッショナルとして非常に重要なスキルです。
そのためのコツをいくつか紹介します。
- 仕事を「習慣化」する
「やる気があるからやる」のではなく、「この時間になったらやる」と決めてしまうことです。歯磨きにやる気が必要ないのと同じように、仕事をルーティン(習慣)にしてしまえば、感情の波に関係なく着手できます。 - タスクを細分化する
大きな仕事は「気が重い」と感じがちです。まずは「資料の目次だけ作る」「メールを1通だけ返す」など、5分で終わる作業に分解することで、取り掛かるハードルを劇的に下げられます。 - 1日のスケジュールを時間で区切る
「9時~10時はメール返信」「10時~11時は資料作成」のように、時間割を作ることで、目の前のことだけに集中できます。
モチベーションに頼らず「仕組み」で動く。
これが、意識高い人のペースに巻き込まれないための自己防衛術でもあります。
自分の身の丈に合った環境選びも必要
ここまでの対処法を試しても、毎日が苦痛で、心身の不調が続くようであれば、環境そのものが「自分の身の丈に合っていない」可能性を考える必要があります。
例えば、全員が起業家精神を持つスタートアップ企業に、安定志向の人が入社すれば、疲弊するのは目に見えています。
それは本人の能力の問題ではなく、単なる「ミスマッチ」です。
あなたが「向上心がない」のではなく、その職場の「求める向上心の方向性」が、あなたと違うだけかもしれません。
自分の心を壊してまで、その環境に耐え続ける義務はありません。
時には、自分の価値観やペースに合った職場へ「環境を変える」という選択肢を持つことも、賢明な判断です。
まとめ:やる気がある人といっしょにいると疲れる
「やる気がある人といっしょにいると疲れる」という悩みについて、その心理と対処法をまとめます。
- やる気がある人に疲れるのは「価値観」と「熱量」が違うから
- 「向上心が高い人」は、無意識にプレッシャーや劣等感を周囲に与える
- 「職場 意識高い」環境は、横文字や自己成長アピールで「ついていけない」と感じやすい
- 「うざい」と感じる理由は、価値観の押し付けやマウントにある
- 仕事での「意識高い」は、成果よりプロセスを重視する精神論になりがち
- 「疲れる」のは、自分の心を守るための正常な防衛反応
- 対処法は、相手を「承認」しつつ「同調」はしないこと
- 「検討します」でその場の回答を保留し、距離を保つ
- 「やる気がない自分」を責める必要は一切ない
- 「彼は彼、自分は自分」という課題の分離(アドラー心理学)が重要
- 相手の課題(やる気を出すこと)と自分の課題(どう付き合うか)を分ける
- 会社が評価すべきは「やる気」ではなく、客観的な「成果」
- モチベーションに頼らず、「習慣化」や「タスク細分化」で淡々とこなす
- どうしても合わない環境からは、心身を守るために「離れる」選択も必要
- 自分のペースと価値観を大切にすることが、長期的なキャリアで最も重要
